関興寺の忠峰さまと不思議な墓石

 

こんにちは、上村絵美子です。

先日、初雪を迎えた南魚沼。

大人になっても、毎年、初雪を見ると

なんだかテンションが上がってしまいます(笑)

「雪」といえば、鈴木牧之の『北越雪譜』。

seppu-top

suzukibokusi-1

 

その中では「雪中の幽霊と関山の毛塚」や

「泊まり山の大猫」(←今度ご紹介します)など

この地域に伝わる(不思議な)お話しもたくさん記されていますが、

今日は、北越雪譜には載っていない

不思議なお話をご紹介いたします。

 

雲洞庵の「土ふんだか」と並んで

「味噌なめたか」で有名な石打の関興寺。

「味噌なめたか」の由来は、こちらをご覧ください↓

極上の南魚沼 関興寺

DSC_1350
 

その関興寺の墓地には、とっても不思議な墓石があります。

それが、こちら。

DSC_1365
 

なんと、墓石がきれいに3つに割れています!

雪の重みで倒れて割れてしまったのでしょうか…?

いいえ、実はこの墓石には、こんな物語があるんです。




昔むかし、忠太郎という少年が長い旅の末に

石打・関の小黒川(おくろがわ)という集落に辿り着きました。

少年と一緒に居るのは虚無僧姿の父親、渡辺源三郎。

源三郎は和歌山の浪人でしたが、親の仇を捜し求めて

息子の忠太郎と諸国行脚の旅をしている途中でした。

敵はすぐそばの関興寺にいるという噂があり、

この地でようやく仇を討てるかと思われましたが、

積年の苦悩により源三郎は労咳(肺結核)を患っていました。

「忠太郎、我が家に伝わるこの鎖鎌をお前に渡す。

父の代わりに、どうかこれで仇を討ってくれないか。」

そう言い残し、源三郎は息を引き取りました。

そのとき忠太郎はまだ11歳。

事情を知った村人たちは、亡き父・源三郎の菩提を弔う意味も込め、

関興寺四十二世・匡山(きょうざん)禅師にお願いし、

忠太郎を関興寺で預かっていただくことにしました。

 

得度を受けた忠太郎は“忠峰(ちゅうほう)”という僧名を付けられ、

日々修行に励むかたわら、夜になると密かに寝床を抜け出し、

いつか仇を討つ日のため、裏山で剣の技を磨いていました。

月日はめぐり、13歳となった忠峰は

父・源三郎の三回忌の命日である10月18日の夜、

父の形見の鎖鎌を手に境内へと向かいました。

経堂の屋根へ上がったところ、歴代住職の墓が並ぶ開山塔のあたりから

青白い火の玉のようなものが立ち昇るのが見えました。

それはやがて不気味な人の形となり、

大きな口を開けて忠峰を睨みつけました。

その顔はまさに長年捜し求めた仇のもの。

すかさず忠峰は鎖鎌を振りかざし、敵を袈裟切りになぎ払いました。

大きな音とともに敵の姿は消え、仇討ちを果たした安堵から

忠峰はその場で眠りに落ちてしまいました。

 

翌朝、忠峰は前夜の仇の姿を確認するため、

火の玉の上がった開山塔の方へ向かいました。

すると、そこには斜めに切れ目が入った

関興寺の開山様(初代ご住職)のお墓が立っていました。

それを見た忠峰は、僧の身でありながら

仇討ち(=殺生)を考えていた自分の煩悩を断ち切るために、

開山様が身代わりとなって諭してくださったのだと気付き、

「これからは剣を捨て、仏道に精進いたします。

どうぞこの罪をおゆるしください。」と誓いました。

その後、忠峰は関興寺を出て、諸国修行へと旅立っていきました。

 

※関興寺 林法子さまの『(郷土資料)忠峰 袈裟切りの墓 天狗小僧ものがたり』を参考にさせていただきました。




これが、冒頭の墓石にまつわる物語です。

袈裟切りとなった開山様のお墓の隣には、歴代のご住職のお墓が並んでいます。

DSC_1368
 

境内には、物語に出てくる建物もあります。

DSC_3293
 

この、蔵のような建物は、忠峰さまが登った経堂。

中にある、お経が納められた豪華絢爛な輪蔵は

新潟県内でも非常に貴重なものだそうです。

DSC_3291
DSC_1356
 

冬はお墓は雪の中となってしまいますが、

関興寺へお参りの際は、この物語を思い出して

裏山の開山塔を訪れてみてはいかがでしょうか?

DSC_3289
 

実は、忠峰さまにまつわる興味深いお話がまだあるのですが…

続きはまたの機会にご紹介いたします(^^)

 

 

《最上山 関興寺》

新潟県南魚沼市上野267

TEL 025-783-2111

HP http://kankouji.coolblog.jp

 

記:上村 絵美子

 

続きはこちら→【忠峰さまと天狗さま

カテゴリー: 女子プロおすすめ:南魚沼の『施設』 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.