越後上布ができるまで その2~「織り」の準備~

 

こんにちは、上村絵美子です。

越後上布の「100日講習」シリーズ。

前回は越後上布を織る前の「糸つくり」の工程をご紹介しました。

越後上布ができるまで その1~糸つくり~

 

経(たて)糸を筬(おさ)という櫛のような道具に通した後は

いよいよ“織る”ための準備です。

 

まずは「千切り(ちきり)巻」。

筬に通した経糸を整えながら「千切り(ちきり)」という道具に巻き取っていきます。

糸のテンション(張り)を均等にするため

重しの乗ったソリを糸の端と繋ぎ、巻き取ります。

単純な作業ですが、ただ巻くだけでなく糸筋を整えながらの作業のため

千切り巻だけでも一週間近くかかります。






 

次は「綾(あや)掛け」です。

経糸には伸べ作業の際につくられる

「綾」という糸が交差した部分があり、

この糸が上糸と下糸の2本で一組(一羽といいます)となっています。

綾掛けという作業を行うことで、上糸と下糸を分けて

経糸に緯(よこ)糸を通す開口部をつくることができます。

 

2本一組になっている経糸を上糸と下糸に分け…


 

下糸を一本ずつ糸に掛けていきます。





 

そして、緯糸は「管巻(くだまき)」という作業で

小さな竹管に糸を巻き取ります。

この管を次々と取り替えながら織り進めていきます。


 

その他にも必要な道具をセットし…

これでようやく織る前の準備が終わりました。


 

越後上布は1955年に国の重要無形文化財総合指定第一号に指定、

2009年には日本の染織では初めてユネスコ無形文化遺産に登録されており、

重要無形文化財指定要件が5つあります。

1.すべて苧麻を手うみした糸を使用すること。

2.絣模様をつける場合は手くびりによること。

3.いざり機で織ること。

4.しぼとりをする場合は、湯もみ、足ぶみによること。

5.さらしは、雪ざらしによること。


 

ということで、「織り」の工程は「いざり機(ばた)」が使用されます。

いざり機は地機(じばた)とも呼ばれる機具で、

千切りに巻いた経糸を腰に巻いたベルト(シマキ)で張り

綾に掛けた下糸を足を使って動かすことで緯糸を通し

身体全体で織物を織りあげるもので、原始的な織機です。




 

いざり機の織りは、杼(ひ)にセットした緯糸を

経糸(上糸・下糸)の間を通すことで織っていきます。

いざり機の杼は緯糸を通すだけでなく、緯糸を打ち込むという役割も持っています。

筬も糸の打ち込みに使用しますが、筬で経糸を整理し一定の間隔を保っています。



 

あとはひたすら経糸に緯糸を通し、打ち込んでいくのですが…

これもただ糸を通して打ち込むだけではありません。

次回は「織り」についてさらに深くご紹介したいと思います。

 

 

それから、毎年恒例の越後上布体験講座が3月2日(土)に行われます。

越後上布についての講義や各種技術(糸つくり・絣くびり・織りなど)の

見学・体験、雪ざらし体験ができます。

以前のブログで参加レポートもありました。

越後上布体験講座

現在、体験講座の参加者を募集中だそうです。

定員は50名で先着順となっておりますので、

興味のある方はお早めにお申し込みくださいませ。

講座の詳細や申し込みにつきましては、こちらのページからどうぞ↓

越後上布体験講座 参加者募集(南魚沼市HP)


 

また、当日は雪ざらしのみの見学・撮影も行われる予定です。

こちらは事前申し込み不要とのことですので、

この機会に雪国の文化、越後上布に触れてみてはいかがでしょうか。

《雪ざらし実演》

日時:3月2日(土)11:00~12:00、14:30~15:00

場所:塩沢中学校グラウンド(新潟県南魚沼市中778-1)



 

☆重要無形文化財 越後上布・小千谷縮布 技術保存協会

HP http://www.johfu-chijimi.jp/

FB https://www.facebook.com/ojiyachijimi/

 

 

記:上村 絵美子

カテゴリー: おばあちゃんの知恵袋, 南魚沼のイベント情報とご報告, 生活情報 衣食住 パーマリンク

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