越後上布ができるまで その3~「織り」~

 

こんにちは、上村絵美子です。

越後上布の「100日講習」シリーズ。

越後上布の100日講習がはじまりました

越後上布ができるまで その1~糸つくり~

越後上布ができるまで その2~「織り」の準備~

今日はいよいよ“織り”についてです。

 

越後上布は「いざり機(地機)」と呼ばれる機械で織っていきますが、

なぜこのような織機で織るのでしょうか?


 

それは、越後上布の原料の麻が乾燥にとても弱いからなんです。

糸が乾いてしまうと切れやすくなってしまうため、

できるだけ乾燥しないようにと考えられたのが「いざり機」です。

床に近い場所で織るのは、地面から近い方がより乾燥しにくいため。

織機がコンパクト(一畳あれば置けます)なのも、

糸が空気に触れる部分をより少なくするため、

また、糸が切れてしまった時にも手が届くようにということで、

昔から変わらず現在もこのような形で織られています。

機を織るときも、糸を水で濡らしながら織ります。


 

越後上布には乾燥が大敵なため、昔から

雪が降って湿度の高くなる冬に機織りが行われていました。

現在では加湿器も利用されていますが、糸の乾燥を防ぐため

暖房は最小限、足元に電気毛布を掛け、

室内ですが防寒着を着て織られています。

 

ですが、加湿器を使って湿度を上げても、

天気が良い日や風の強いときなどは糸が切れやすくなります。

また、織子の気持ちも糸に伝わるようで

イライラしたり心配事があったりすると、糸が切れやすくなるため

できるだけ気持ちをフラットに、平常心でいることが大切だそうです。

不思議ですね~。

 

それでも糸が切れないという日はなく、

切れてしまった糸はスペアの糸を使って繋ぎ

布に穴や抜けた部分が無いように、

ルーペを使いながら縫って処理をします。

麻糸はとても繊細な糸のため、機を織っている時間よりも

糸を繋いだり縫っている時間の方が多いこともあります。

丁寧で根気のいる作業です。



 

一反を織りあげるまでには(個人差はありますが)

やはりおおよそ一冬かかるそうですが、

現在は冬季だけでなく通年で機織りをする織子さんもおり、

自宅で自分のペースでできる仕事でもあるため

南魚沼市外に住みながら機織りをする織子さんもいるそうです。

 

また、3月2日(土)に越後上布体験講座が行われました。

毎年人気の講座で、今年も約50名の方が参加し

越後上布について学んでいました。

中には長岡造形大学の先生と学生さんや

服飾関係のお仕事をされている方など若い方も多くおり、

越後上布や南魚沼の織物に興味を持ってくれていることが

とても嬉しく思いました。



 

鈴木牧之の『北越雪譜』の中で越後上布(越後縮)は

「雪中に糸となし、雪中に織り、雪水に洒ぎ、雪上にさらす。

雪ありて縮あり、されば越後縮は雪と人と気力相半ばして名産の名あり、

魚沼郡の雪は縮の親といふべし」

と書かれています。

まさに「雪ありて」。

南魚沼の文化は雪があってこそ生まれ、

伝統となって続いていることを改めて感じた冬でした。



http://joshi-ryoku.jp/index.php?id=328

 

☆重要無形文化財 越後上布・小千谷縮布 技術保存協会

HP http://www.johfu-chijimi.jp/

FB https://www.facebook.com/ojiyachijimi/

 

 

記:上村 絵美子

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